「フジファブリックの人気曲(シングルを除く)を決めよう」・まわるの場合

すこし前にtwitterで開催された「フジファブリックの人気曲(シングルを除く)を決めよう」という企画に際して行った、フジのシングルを除いた好きな曲3曲を決定するための選考の備忘録です すべては個人の見解・感想ですので!


【準・最終候補曲】

お月様のっぺらぼう:後で同じことを何度も言っているけど、この音域で聴ける歌を歌えるの凄すぎるでしょ…。一回目の” 一人旅をする ”の転調からの世界がひっくり返ったようなドリーミーな音の世界、生で体験したい~。この曲のライブ映像何個か残ってるけど、どれもそこのコーラス全然聴こえなくて「なんでよ~!」と言ってしまう

モノノケハカランダ:ギターソロが世界一かっこいい曲(異論は認める)。06年野音でギターソロがどんどん加速してくのマジでたまんないよね~!投票してない人間が言うのもアレなんですが、この曲クオリティとか曲の立ち位置に対して人気なさすぎない…?

ペダル:歌詞!うまく説明できないんだけど” あの角を曲がっても消えないでよ ” ” そういえばいつか語ってくれた話の 続きはこないだ人から聞いてしまったよ ”みたいな、「一見脈絡がないけど言いたいことが裏に隠してあるフレーズ」が好きで!たとえば前者は本当に実在するどっかの角を曲がって消えてほしくないわけじゃなくて、「ずっと今が続いてくれ!」っていう強い願いを主張したいわけだし、後者は聞いちゃったんだよね~っていうエピソードトークをしてるわけじゃなくて、「同じ話かもしれないけど君の口から聞きたかったんだ」っていうやるせなさや切なさを訴えたいわけじゃないですか、そういう感じの!志村のその能力が好き!(ちゃんと言語化できないの悔しすぎる)

NAGISAにて:マジでいい、「渚に涙を流した女性が佇んでいる」っていう美しい光景からこんなに磯臭い曲を作り上げてしまう志村正彦さん…(好き)徒然流線で突然これやったの何だったんだ

パレード:いつ・どこで・どんな状況で・「君」が何をして…とか普通のラブソングが備える具体性が一切排除してあって「僕は君がスキ~~~!!!」ということしか伝わらないのが最高!こういうスーパーハッピーポップソング(パレード・Girl!×3・恋パ)、もっとセトリ入りしていい スーパーハッピーになれるから

キノウ:「サビのメロ良すぎ」という理由のみで準・最終候補まで残っている、すごい

LET'S GET IT ON:初期とはまた違った歌謡感があってスッキ~!” 現実は口紅の色を残すグラス ”って何かしらの比喩なんだろうけどそのままの意味で受け取った時も現実って結局そうだよなあ…という感じがして好き。


【最終候補曲】

花屋の娘:めちゃくちゃ好きだし、花屋の娘で初めてフジに触れたので思い入れがあるのよね~。当時中学2年・その頃から好きだったパスピエのラジオで流れたこの曲を初めて聴いた時の「エ~~~なにこれカッコ良……………!」という衝撃が忘れられない(ありがとうパスピエ)。その後アラモードをレンタルするも花屋の娘以外の曲が受け付けなくて一旦挫折はするけど、2020年頃になぜか「そういや中学ん時フジファブリックちょっと聴いてたな~!」と思い出して聴いた花屋の娘・および・アラモードがカッコ良くて今に至るわけだからね!

記念写真:私はどうしたって記念写真のオタクなので…。全体的にチューブラーベルっぽい使い方のピアノが好き。髪型変えたのを気にしちゃうのいいよね。

Mirror:死ぬほど聴く。志村が書いたな~って歌詞と志村が歌う用だな~ってメロだけど山総の声だから好きな気がする。声の重心高くて輪郭があまり出てないから楽器と声の境界が溶け合う感じがクセになる。

春の雪:マ~ジでヤバ曲。救済。卒業かこれかで迷ったけど、これを好きな理由はWLFと近いな~と思って入れなかった。メロが秀逸すぎる。今の声で聴かせてくれ(懇願)

Gum:かなりヤバイ。こういう色の曲ってこれしかないんじゃない?歌詞がめちゃめちゃに良い。“ 僕はどうやっても君らしく生きることができない ”が凄い。「自分は自分以外になれない」をここまで切実に表現した文を見たことがないし、「自分以外の誰かとして生きることを強いられた経験のある人」の表現すぎて苦しい。

レリュード:あんまりヤバイって言ってる人見かけない気がするけど私はヤバイ(?)赤黄色の金木犀聴いた時と同じような発作が出る。チャンダイが作るこの手の曲の焦燥感やセンチメントは志村のそれと近いところをくすぐられる感覚がある。” 今度は未来を連れて同じ場所で会おうぜ ”涙涙涙


。*:゜☆【投票曲】☆゜:。*。

追ってけ追ってけ

志村正彦さんの本領が遺憾なく発揮されている曲!もうどうしようもなく好きすぎて投票。志村が持って生まれた響き0芯100・喉でしか鳴ってないみたいな直情的で平坦な声って、初期フジの音楽が有する土着性や歌謡曲的な独特の雰囲気に対する「正解」の声だと思ってるんだけど、この曲は特に曲が声の魅力を最大限に引き出してるし声が曲の魅力を最大限に引き出してると思う。この声を持って生まれた人がこういう音楽をやっていた時期があること、有り難すぎ…。これ以降のフジの進化の方向性的に志村が自分の声を中心にした音楽作りをしているようには見えないのだけど、見えないのにこの声が「正解」となるような曲を書いてるのは何の巡り合わせ?この曲はその「独特な雰囲気」が特に濃く出てて、歌謡的を通り越してもはや民謡的だし一歩間違えたらコミックソングにもなりそうなところだけど、声が説得力どころか凄みを持たせている、すごい。冒頭に書いた「声が喉でしか鳴ってない」感じ、母音の発声に強く出てると思うんですがサビが「" お "ってけ」で始まるから天才〜!音源ののっぺりとした歌唱も最高だけど06年野音のリズム短めでこぶしも多用した比較的キレのある歌唱もめちゃくちゃ大好きなんですよね… 茜色の夕日とはまた別で、資質や技術の面を見たときに「この人にしか歌えない歌」だと思っている…。(ここまで書いて気づいたけど、同じ話を言い方変えて何回もしているだけだな?)

余談だけどSunnyMorningの「さあ旅立ちの朝〜」とか地平線を越えての歌い出しとかも、読経のような癖のある節回しあってこそだと思うしお月様のっぺらぼうの「あの空を見た〜」もあの音域あのメロあの歌い方でゾッとするような迫力を出せるのは生まれ持った「声」だなあ…と思うし、特に2枚目までは声とメロがバチっとハマることが多くて「スゲ~~~」となるね。


たりないすくない

フジファブリックが好きな以前に音楽が好きなので、「これは“良い曲だから好き”なんじゃなくて“フジファブリックが好きだから好き”なんじゃないのか?ちゃんと音楽を聴けているのか?」と思い悩むことがあるのですが(べつにそれでもいいじゃんね!)、この曲に関しては「ア!これはフジファブリックの曲じゃなくても絶対好きだった!」と一聴して即思えて、こんなの初めて…だったので投票。

自分のツイートを引用しますけども、この曲でまさにフジファブリックへの新しい「好き」の扉が開いた感じがしてすごくうれしかったんだよね!20年近いキャリアがあるのにまだ新しいことをして私たちをワクワクさせてくれるんだ…と思って。

あとAppleMusicによると2021年一番聴いている曲らしいのでさすがに(ガチで、リリースから毎日一回以上は聴いている)かとを曲ってこれ然りキノウやhave a good〜然りファルセットの使い方がめちゃくちゃツボを付いてくるんだよね〜


卒業

上2曲はわりとすんなり決まったけどこの曲は迷って投票。「この曲、ヤベエ…」となったのがLive at 日本武道館を観て(DVDだが…)なのでその話をします。武道館って「デビュー10周年、内訳は山総フロントの年数が志村フロントの年数に追いつくという年に新体制を確立させた重要アルバムを引っさげての初めての日本武道館」っていうふうに色々乗っかりまくりで、雰囲気も全体を通して異様な感じが映像でも伝わってきて、私はあまり通しで観ることができないんだけど、そういうライブだからこその重みと深みが出てて本当に凄いんですよ…。この曲の前は茜色〜若者で、もう感情がグッチャグチャになってるからこの後何やられても収集つかないな…と思っていたところでこの曲が始まったんだけど全部持ってかれた。武道館で演奏される卒業を生で聴けなかったことは私の一生の後悔なんだろうな…。絶対にこの曲のベストアクトは武道館なので!音楽的に好きなのは イントロや間奏で度々出てくるピアノのフレーズ、隙間が多いんだけどいちいち時が止まるみたいで好き・この曲のサビって” いつかまた会えるだろう ”と” このまま雨に流れて行けよ ”の後のピアノだと思ってて、その部分が歌と演奏で伝えたいことを補完し合ってる感じが好き・Aメロの鼻に抜ける穏やかな声とBメロの地鳴りのような声の対比が好き・最後のファルセットがもはや霊的で美しい・歌謡的な雰囲気がある(お気づきの通り私は本当にその感じに弱い)あとアレンジ変えればいい感じのフォークソングになりそうだからアコースティックとか弾き語りでやってほしいと思っている…(!)